歌とみちづれ
月の地平から地球が昇る映像を見た。丸くて青い惑星をまるごと見たのは初めてだった。青い海に白い雲。これが私たちが生活する地球。神から人類への最大の贈りものだ。空気も水も食料もみんなある。人種や宗教の違いだけで殺しあう愚かな人間ども。そんな連中に涙は不要だ。
明るくて青い地球を見てからは涙なんか流してやらない
これはギリシャ神話の世界。天の神と地の神の夫婦がいた。地の神と息子たちは横暴な天の神への復讐を申し合わせ、ある日天から降りてきた父に息子が襲いかかり体の一部の肉塊を切り落としてエーゲ海へ投げ捨てた。それは海を漂流し、そこから湧き上がった白い泡から、美の女神アプロディテが生れた。ミスギリシャ、ビーナスの誕生である。ルーブルにあるミロのビーナスはあまりの美しさに周りの彫像がかすんでしまい今それらの記憶もない。
ルーブルにもろ手なき女神麗しギリシャの海の潮のざわめき
近頃夜の都会が明るい。明るすぎるというべきか。エネルギーの節約が叫ばれ燃料の高騰が身にしむ日常をよそに、無駄な明りのなんと多いことか。子供の頃、暗い夜道にともるオレンジ色の外灯をたよりに、銭湯の往きかえりをした頃をしきりに懐かしんでいる。
明るすぎる地球の夜を歩みつつオレンジ色のともし火恋ひぬ
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